園児達は、園の生活の中で、まことの神さまにお祈りをすることを覚えます。
お祈りとは、目に見えないほんとうの神さまに、おはなしすること、です。もちろん、さいしょは、どうお祈りしたらいいか、教わります。でも、子どもはそのうちに、心の中にある自分の気持ちを、お祈りできるようになります。素晴しいことです。人は、ほんとうの神さまにお祈りする時、少しずつ心が素直にされます。でも、人目を気にすると、人は格好をつけてしまいます。「主の祈り」は、イエス様が、お弟子さんたちに教えてくださった祈りですから、内容は深く、広がりが豊かで、教えられること、学ぶことがたくさんあります。
主の祈り
天にまします我らの父よ
願わくは
み名をあがめさせたまえ
み国を来たらせたまえ
み心の天になるごとく 地にもなさせたまえ
我らの日用の糧を 今日も与えたまえ
我らに罪を犯す者を我らが赦すごとく 我らの罪をも赦したまえ
我らを試みに遭わせず 悪より救い出したまえ
国と力と栄えとは限りなく汝のものなればなり
アーメン
その意味は、子どもたちの園生活に生きています。
お弁当を食べる時、子どもたちが、おとうばんでお祈りをします。
「天の神さま
これから ごはんを たべます。
たべれないひとも たべさせて ください。
イエスさまの おなまえによって おいのりします。
アーメン。」
子どもたちの、このお祈りは、「主の祈り」の真ん中ぐらいにある、「我らの日用の糧を今日も与えたまえ」を、わかりやすく、見事に表現しています。
事実、21世紀の今でも、世界中の多くの人が、空腹のまま寝床につきます。
食べ物をむやみやたらと願っている祈りではありません。
「日用の糧」は、今日生きられる分を含んだ食べ物のことです。
というか、今日生きられるかどうかという場合には、今日の分があることが希望です。
欲望のままに要求したり、当然の権利のように願っているのではなく、今日のいのちを生かしていただける分を願い、感謝して受け取り、隣の人のことも祈るのです。
祈りは、自分中心でなく、くださる恵みの神さまへの感謝と、隣人のとりなしが内容となっています。
また、それらの前の祈りも重要です。
「み心の天になるごとく 地にもなさせたまえ」と、地上がどんなに悲惨だとしても、天国の希望と、地上への神の恵みを祈るリアリティが、この祈りにあります。
祈ってくださっている人々に感謝しながら、私たちも神さまに祈って、シオン幼児学園の子どもたちとともに歩みます。